受託開発者のデザインメモ

現在学んでいる UX デザイン・サービスデザインについての振り返りや、自主的な調査活動について書いています。

X Design Academy Basic #06 発想法

X デザイン学校 Basic 6 回目の授業は「発想法」。

予定では「構造化シナリオ法」となっていましたが、変わったようです。
昨年の UX 講座の方でやったことはあるのですが、理解するにはややこしかったので、省略したのでしょうか…


発想法講義

前回まででユーザの調査・分析をやりましたが、今回の発想法ではそこから少し離れるような内容でした。

発想法のポイントはいくつかありますが、文脈を大事にするよりも、新しいものにジャンプすることに重点を置いているようです。

(余談ですが、HCD は元々 Usability から生まれた分野なので、発想というプロセスが無いらしいです)

 

例えば、「組み合わせ」という点では、Yahoo の 孫正義さんが「音声」と「翻訳機」という 2 つの内容を組み合わせ、「音声付き翻訳機」を発明したという例があります。
Siri や Google Assistant が出ている今では当たり前に思えますが、当時は新しくて画期的なアイディアだったのでしょう。

 

また、「リフレーミング」では、ある事象について意味の捉え方を変えます。
「電車が目的地に遅れた着いた」という事象については、「遅れたので、残念な気持ちに会った」というのが通常の捉え方(フレーミング)ですが、「遅れたけど、大事故に遭わずに済んだ」という捉え方がリフレーミングになります。
(なんだか、心理学・自己啓発のようです…)

 

逆転による発想

まずは発想法に慣れるため、「逆転による発想」というワークを行いました。


テーマを決め、それについての「最悪なシナリオ」を複数書いていきます。
(例えば、「カフェ」がテーマの場合「コーヒーが不味い」)
次に、「素直な発想」として、通常の解決方法を考えます。
(上記例の場合、「コーヒーがうまいカフェ」というのが通常の解決の方向)
そして今度は「逆転の発想」として、「最悪なシナリオ」を違う視点で捉えます。
(上記例の場合、「飲むまで何フレーバーか分からない」というものが一例。
 美味しくするのではなく、味を分からなくすることで、違う価値を見出している)


自分たちのグループは「旅行」がテーマでしたので、「最悪な合宿」について考えて行きました。
書いた例としては、最悪シナリオが「合宿所の設営から始まる」で、素直な発想は「一流ホテル並みに綺麗なコテージ」ですが、逆転の発想は「大学生が皆で一緒に作り上げる一大青春イベント」です。

 

f:id:kaji62045:20171015202101j:plain

 

色々思いつきはするのですが、これまで文脈を意識するワークが多かったせいで、「これでいいのかな?」という疑問ばかり浮かんでしまいました。
論理的なことばかり追っている人は発想が苦手らしいのですが、自分はそのようです…

 

仮想カタログ

その後、「仮想カタログ」の作成に入ります。
企画中のサービスについて、アイディアを視覚化するというもので、それを人に見せることでアイディアの共有・検証・提案ができます。

記載する内容としては
・ユーザへの価値(リードコピー)とサービス概要
・価値のある 3 つの特徴
・サービス情報・スペック
があります。

例として、パンフレットのようなイメージを見せて貰いました。


これを書く際に、これまでやって来た調査結果や、先の発想ワークの結果をまとめて、
提供するサービスを考えるのですが、なかなか思いつかず。
どうしても既存のサービスや、今すぐできるサービスしか出てきませんでした。

行き詰って講師の方に相談すると、

「導き出した本質的欲求価値にフォーカスして、そこを掘り下げると良い」

とコメント。
それに対して、「(未来的ではない)今現在できるようなサービスしか思いつかないのですが」と疑問を伝えると、

「以前に言われた制限を持ったままだと行き詰るので、忘れて良い」

とのことでした。

 

言われたものの、「ユーザ調査の結果からかけ離れたものになるのでは?」と不安になるのですが、「調査・分析」と「発想」は明確に分け、それぞれを行き来するような考え方が良いのかもしれません。
(結果が出てないので、まだ良いという実感はないですが)


その後、アドバイスの通り「やりたいことと我慢のバランスを取る」という価値に注目し、「普通はできない贅沢・特別な体験をする」という方向でサービスを検討し、発想カタログを作成しました。

 

f:id:kaji62045:20171015202026j:plain


とりあえず作ったという段階なので、次回までにブラッシュアップして、可能であればペルソナ該当者に見せてフィードバックを得てきます。