浅野智先生と山崎和彦先生によって開かれている X デザイン学校。
その 2017 年度 Basic コースが開始されました。
約 1 年間、全 10 回実施される予定です。
初回は「ブートキャンプ」ということで、まずは参加される先生方から 10 分くらいで説明。
以下抜粋。
■山崎和彦先生
「習ったことそのままでは上手く行かない」
「研究とは、自分のプロジェクト・ビジネスに活用すること、自分なりに工夫すること」
去年も 1 年間、UX について講座や本などで学んでいましたが、
ある時は「ユーザの共通点を見る」と説明され、
時には「特殊なユーザを見る」と言われる場合もあり、
鵜呑みにすると、「今どちらが必要なのか?」が分からなくなります。
その都度「本当にその判断が妥当か?」「今はどちらが適切か?」について、考える必要があるのだろうなと思いました。
■浅野智先生
昨年度と同様、大枠は「覚える(知識・技術)」ではなく「察知する(態度・判断)」が大事との説明。
また「正統的周辺参加」という言葉を挙げ、とある国の仕立て屋や産婆などが、
ベテランの人に付き添っていくうちに出来るようになる、という成長過程を説明していました。
全ての意味をつかめてはいませんが、
「1 点の知識・技術だけでなく、文脈まで知ることで、判断ができるようになる」
ということかと思いました。
■「最悪トラベル」
その後、グループに分かれてワークを実施。
内容は「初めに一番最悪だと思われる旅について考え、更にそれを最高の旅に変えるサービスを考える」というものでした。
発表に対する講評では、松波晴人さんの「問題の 3 つの分類」が出てきました。
・Simple Problem(解き安い問題)
・Complex Problem(解きにくい複雑な問題)
・Wicked Problem(そもそも何が問題なのか定義できない)
本質ではない Simple Problem ではなく、Wicked Problem を探さないといけない、
とのこと。
(そうじゃないと、自動車の時代に、早い馬を作ることになってしまう!)
学生時代に、大学のとある先生から似たような言葉を聞いたことがあります。
・卒業論文:参加賞(解決方法を提示してもらい、とりあえず一通りやってみました)
・修士論文:努力賞(問いは先生が立て、解決方法について頑張って考えました)
・博士論文:??賞(何が問題かを探すところからやりました)
しばしば「AI が仕事を奪う」という話がありますが、
卒論、修論までは持って行かれてしまうのかもしれません。
UX に関する学習は、ユーザのニーズからだけでなく、自分たちの役割の変化からも、今後必要になるのだと思いました。