受託開発者のデザインメモ

現在学んでいる UX デザイン・サービスデザインについての振り返りや、自主的な調査活動について書いています。

X Design Academy - Fieldwork Workshop

 

概要

6 月 24 日 (土) - 25 日 (日) に台湾で X Design 学校主催のワークショップが行われますが、その事前トレーニングとしてフィールドワークのワークショップが行われました。

メインの対象者は台湾ワークショップへの参加者でしたが、X Design 学校の Basic / Advance コース受講生も若干名参加可能であったため、紛れ込んできました。

 

テーマは「外国人の日本人化パターンを見つける」というもので、

・海外からの観光客・移住者を観察し、日本のシステムに溶け込んで ヘビーユーザになるパターンを見つける

・それを元に、インバウンド消費を促すサービスをデザインする

という流れです。

 

観察

まずは班に分かれて街に出て、外国人の旅行者を観察。

初めの説明が秋葉原で行われたため、自分の班はとりあえず電気街を周ることに。

 

エスノグラフィは 2,3 度やったことがありましたが、まだ結果に対して実感が湧いたことがなく、いつも何を見れば良いのかで悩みます。

とりあえずは「点」では無く「線」で観察することを意識し、外国人の方を見つけてはその後を付いて行き、何か共通する行動パターンが無いかを観察。

 

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・いきなり券売機を使わず、しばらく他のお客さんが買うところを見て買い方を覚えてから、自分で買いに行くところ

 

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・UFO キャッチャーで日本語の文字を対訳表(?)片手に読み解いている

 

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・家電量販店の美容家電コーナーで携帯片手に店員さんに聞いているところ

 

しばらく見た後、買い物が中心の秋葉原では観察が難しいかと思い、上野駅へ移動。

アメ横を中心に見て周りましたが、筆者はあまりこれという行動を発見することができませんでした。

 

パターン・ランゲージ作成

場所を渋谷に移し、観察結果を元にパターンを見つけるワークへ。

観察してきた行動の中で共通する「問題のパターン」を見つけ、それに対する「解決策」を考えます。

 

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解決法については、

「今々、困った外国人が取る行動」なのか、

「こういう時に日本人が取る行動」なのかが、

はっきり分かりませんでしたが、両方列挙していくことで、手本となる日本人の行動がまとまるのかもしれないなと思いました。

 

他の班の発表を聴いていると、観察場所について参考になる例がありました。

合羽橋の陶器屋に外国人観光客が来ていたのですが、「5 枚以上からしか買えない」という注意書きに気が付かず、上手く店員とコミュニケーションが取れていなかった、というケースです。

この場合、

「日本人でも(業者ではない)一般の人は合羽橋に陶器を買いに行かない」

ので、いくら「外国人観光客が日本人化」しても慣れることはなく、観察場所としては不適切とのこと。

飽くまで「外国人観光客が一般の日本人化する」というのが今回のポイントらしいです。

 

 

サービスの検討

最後は見つけたパターンを元に、インバウンド消費を促すサービスを検討。

 

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枠組み全体については、まだしっくり理解ができていませんが、外国人旅行者がベテラン化する過程を上手くデザインすることで、外国人が初回だけに留まらず、成長モデルに乗って継続的に来てくれる、という事なのかと思いました。


 

これまでフィールドワークでは KA 法という可視化手法を使ってまとめていましたが、この手法であればプロトタイプのインプットになるので、その先の作業がやり易そうに感じました。

ただし、

参考となる成長モデルが分かっており(今回は日本人旅行者が参考)、

その成長モデルを上ることがユーザへの価値になる(日本人と同じ生活が体験ができる)、

というのが適用条件としてありそうです。